いまそろの今

今更で候。インプットしてアウトプットしてわかった気になる。

<上下関係>続・上からの眺め

Francisco_de_Goya,_Saturno_devorando_a_su_hijo_(1819-1823)
「我が子を食らうサトゥルヌス」ゴヤ


「下が言うことをきかない」

嘆くにはおよびません。
誰だって人の言うことなんて本来聞きたかありません。
下の人は至って健康です。

もっとも、自分のいいなりでなければ都合が悪い。
そんな健康は損なってくれなきゃ困るとまで
おっしゃるのなら
せっせと謀略を巡らして貶めるのが賢いやり方です。

 

人間を飼い馴らすにはまず「弱らす」のが秘訣です

ターゲットが自信を持って進む道に落とし穴を仕掛けて
自信を挫いてしまいましょう。
相手は大怪我しますが構いません。
そこに付け入るのがコツです。

そうして大怪我させてから
何食わぬ顔で落とし穴から救い出せば、あとは仕上げです。
挫折と恩義によってとことんプレッシャーをかけます。

追いつめに追いつめてギリギリのところで
ふっ…と圧力を緩めてこう優しくささやけば完成です


「お前は間違っていたのだよ。
 しかし、もう大丈夫だオレに任せろ」


安い手ですがこれがまかり通るくらい
チョロい世の中であるのもまた事実で
この手の「教育」で「素直な子」に改造することが
大手を振って許される社会です。

どしどし人を食い物にしてはいかがでしょうか。

間違っても

「オイ、言うとおりにやれ」なんて
うっかり口に出してはなりません。
お返しに
「やかましい自由にやらせろ」と
応じられかねません。
そうなってはやっかいです。

ともあれ

同じろくでなしでも
「策士の落とし穴野郎」よりか
「うっかりバカ」の方が
いくらか愛嬌があるとも言えなくは
ないようです。